外国人と働けない日本人&日本を勘違いしている外国人

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日本も外国人の人口が増えてきましたね。職場で実習生と働いている方や外国人を雇っている方は理想的な関係が築けているのでしょうか?今回は、私が日本とフランスで外国人と共に働いた経験から浮き彫りになった問題点について考えていこうと思います。そして、各トラブルについて、私が失敗から改善し、日々実践している事を解決策として提示しています。

問題の核は、『日本語のコミュニケーション』

結論から申しますと、日本語でのコミュニケーション不足が全ての問題の原因と言えます。

コミュニケーション不足によって引き起こされる問題は、「言いたい事が通じないストレス」、「日本特有の上下関係が築けないストレス」、「文化を互いに理解できないストレス」の3点です。

では、今回は「言いたい事が通じないストレス」について見ていきます。

言いたい事が通じないストレス

この問題は、「言葉が通じない」といった、一見すると一つの問題と解釈されがちですが意外と細かい問題が沢山重なり合っているのです。実は、日本語を流暢に話す外国人と働いても伝わらないもどかしさを常に感じる事があります。

分かりやすいように、外国人の日本語レベルをザックリと3つに区別します。

  1. 日本語話せない→言葉として通じていない
  2. 日本語話せる(敬語は使えない)→意思疎通はできるが上下関係に欠ける
  3. 日本語流暢→言葉も上下関係も特に問題なし

日本語話せないレベル

1は、そもそも「言葉」として通じていないので伝わらなければ互いにストレスを感じますよね。これは、外国人の日本語レベルが原因になるので言葉だけでの意思疎通は諦めましょう。

実際の例

私は以前、フランスで韓国人と働いている時期がありました。もちろん、共通言語が無い同僚もいたので(私は韓国語話せない、相手は韓国語しか話さない)伝えたい事は、翻訳アプリを使うか作業を一から十まで目の前で行う事で説明していました。

解決策
  • 図やイラストを使う
  • スマホの翻訳機能を使って母国語で説明する

図やイラストを使ったり、スマホアプリの翻訳機能を使ってザックリと説明します。また、使う単語は英語の勉強で最初に習う(食べる、走る、書く…など)のような簡単な日本語を使い、慣用句やことわざは徹底的に避けます。翻訳アプリも文章にすると変な文章に翻訳されるので、短い文章で簡潔に入力する事が重要です。

日本語話せる(敬語は使えない)レベル

このレベルの外国人が日本には多いのではないでしょうか。いわゆる中流レベルです。日本語の単語は豊富で、私達日本人は、ネイティブと話すトーンで彼らにも話をします。ただ、丁寧語の「ですます調」は使えても尊敬語と謙譲語はまだ難しいと言う印象を受けます。

引き起こされるトラブル

私達は、彼らと話す時に、日本語を話せるからと慣用句遠回しの表現を気にせず使います。日本人(ネイティブ側)は、伝わっていると思っているので、実際に相手が理解していなかった時に「なんで言ったのにやってないの?」「それはできないって言ったじゃん」「なんで分かってくれないの?」とイライラしてしまいます。また、敬語が分からない時にラフな話し言葉を使ってしまい、それを継続していくと、敬意を持たれていないと勘違いして日本人側の不満が募っていきます。

実際の例

日本のレストランで働いていたフランス人の例です。彼は中級レベルの日本語を話し、その陽気さと愛嬌の良さでお客様からとても人気がありました。ところが数ヶ月経つと、彼の同僚たちは少しずつ距離を置き始めます。理由は、先ほど述べたように敬語が問題でした。そして、彼のフレンドリーさが拍車をかけ、逆に裏目に出てしまったようです。面白いのが、もう一人のフランス人同僚の方が日本人同僚達に受け入れられていた事です。彼は、一言二言の単語しか日本語を話せず会話は成立していなかったにもかかわらず…

解決策
  • 慣用句や遠回しの表現を使わずに、簡潔に話す
  • 敬語に重きを置かない

言語の似ている韓国語を除いては、時制や文型の概念が全く異なる日本語でズラズラと慣用句を交えて話すのはできるだけ避けます。また、「その日はちょっと…」や「今日疲れてるから…」といった含みをもたせた言い方や遠回しの表現は曖昧で伝わりにくいので使うのは控えましょう。そして、外国人の部下が尊敬語を使っていなくても、「敬語は日本人でも難しいからな〜」と割り切って接するとイライラが軽減されるのではないでしょうか。他社と関わる人材なら、最低限の頻出敬語を伝授してあげるのも◎。

日本語流暢レベル

私が、日本人と働くのに極めて難しいと感じたレベルが、実は日本語を流暢に話す外国人です。

彼らは、難しい慣用句や単語を駆使して日本語の会話をします。日本の文化を熟知し、上下関係もうまく対処しています。一見すると一緒に働きやすそうな彼らですが、マインドは日本人ではありません

引き起こされるトラブル1

日本では、強い発言を拒み、協調性を大切にしようと主張をなるべく避ける方向に物事を進めます。一方で、外国人と話す時は主張も意見交換も積極的にしていく事が求められます。

この二方の意見が食い違った時に、日本人は相手に説明をうまく主張し説得させることを途中で諦めてしまう人が多いのです。大人だから、自分の感情は抑えて相手に譲るといったところでしょうか。

中級レベルの外国人なら、語学の面で外国人の主張に張り合えていたものも、流暢レベルでは見事に論破され、「もう一緒に仕事したくない!」と日本人側が不快に感じて仕事が捗らなくなってしまうケースに陥ります。ディスカッションの仕方を知っている外国人を相手にすると、相手に圧倒されて疲労やストレスすら感じてしまいますよね。

引き起こされるトラブル2

二つ目は、流暢に話す外国人が言葉の本質を理解できていない時に起こるトラブルです。

流暢に話すレベルだと、外国人が自分の上司になることもあり得ます。そうなると、敬語が飛び交う場面が増えますね。果たして、外国人側は敬語(尊敬語、謙譲語)の本質を理解していると言えるのでしょうか?また、日本人が感じるニュアンスと同じように捉えているのでしょうか?

私の知り合いにはN1(日本語能力試験で最高いレベル)保持者の外国人が何人かいます。彼等の日本語力にはいつも圧倒されますが、敬語を使う場面では違和感を感じる事が少なくありません。仕事の中で、多少変な言い回しをしていても大多数のネイティブは見過ごすと思います。ネイティブが聞き手の場合は特に言い回しについて問題が発生することはありません。(寧ろ、日本人側は心に余裕が持てるのではないでしょうか?)

しかしながら、日本を熟知している外国人の中には、少しの省略や日本人が特に深く感じない言い方でも「目上の私に対して失礼な」と外国人上司が誤解してしまうケースがあります。

実際の例1

ベトナム人の友人が私にこんな事を言っていました。「もう働いて5年経ってるから、上司(日本人)に対しては、『お願いします。』って言っちゃうんだ。」

彼女が言いたいのは、上司に対して「お願いいたします。」ではなく、「お願いします。」と言っているという事です。「お願いいたします。」は、「お願いします」より、より畏まった丁寧な言い方ですが、「お願いします。」の時点で丁寧語なので、場面によっては上司に使ってしまう事ってございませんか?また、「かしこまりました」、「了解しました」「承知いたしました」の言葉はどうでしょうか?私は、親密さによって使い分けています。敬意を持っているからこそ距離感を大切にする為に、言葉を選びます。

だからこそ、彼女の話しを聞いて「あの時のあの人(外国人上司)は何を思っていたのだろう…」や「だから、面白くない顔をしていたのか…」とハッとさせられました。

実際の例2

私の外国人上司は、「〜ください」という言葉は『指示』という印象を主に持っているので、私の同僚が張り紙を作った時に書いた『扉をお閉めください』の文にぶちギレていました。どうやら、〜してくださいと“命令”している感じがするのが気に障ったようでした。

解決策
  • 伝えたい事は遠回しにしすぎない
  • 文面は簡潔に記す
  • 敬語で話してほしい相手には、徹底的に敬語を話しまくる

日本人同士はニュアンスを汲み取るために遠回しに話す事や含みを持たす必要がありますが、本来、職場では仕事が回ればOKですよね。外国人は知っている単語を使って仕事をし、日本人側は、「空気を読む作業」が減ってwin-winなので伝えたい事は、できるだけ分かりやすく伝えましょう。

文面もまた、ダラダラ丁寧に書きすぎると重要な箇所が伝わらないので「問題点」「原因」「解決法」「改善点」など、明確に記した方がより相手に伝わりやすくなります。

敬語を望む人には、気を使う事なく敬語を使いましょう。たまに理解していない素振りが見受けられたら、プライドを傷つける事なく伝わるまで別の単語を使い説明を続けてみましょう。

番外編

また、今日問題になっている「パワハラ口調」を意図せず使っている事もあります。気の毒ですが、私の上司はどこで日本語を習得したのか口から出る言葉一語一句が「パワハラ口調」に該当するのです。

パワハラにあたる言葉 一覧(パワハラ 言葉 事例)

口答えするな、おまえを信じた俺がバカだった、何時間かかってるんだ、俺だったら10分で出来るわ、言われたことだけやれ、余計なことするな、死ぬ気でやれ、責任とれんのか、甘えるな

一般社団法人 日本ハラスメント協会 (パワハラにあたる言葉・パワハラにあたる行為(侮辱・人格否定・暴言)パワハラ 言葉・パワハラ 言葉 一覧

どこでそんな言葉を覚えたの!?

恐らく、自分が若い時に上司達にこのような言葉を吐かれてきたのだなと考えると、なんとも可哀想な人間に思えてきます。せっかく日本語を話せても、言葉の本質を理解していないがために敵を作るなんて…流暢だからこそ、教養のなさを見せつけてしまう皮肉。

外国人と働いてきての感想

外国人と言っても一つに括る事はできません。しかしながら、言語と文化の違いから日本人同士の職場では感じないストレスや苛立ちを感じる事がございます。また、外国人と初めて働く日本人同僚の苦労(逆も然り)も幾度となく目の当たりにしてきました。

私は、外国人として働いたり、語学に対して学ぶ時間があったのでネイティブと学習者両方の複雑さを経験してきましたが、互いに互いを理解していくのはストレスが付き物で、言葉遣いから相手の文化の違いを経て、受け入れるのは簡単そうに見えて簡単ではないと感じます。

言葉や文化の違いで誤解が生じ、外国人と働くのは疲れたな〜と思っている方が少しでも働きやすくなればと思い、今回こうしてわたしの経験と失敗から学んだ改善策を皆様にシェアしてみました。

相手の使う単語やレベルに合わせて「喋り口調」や「使う単語」を変えたり、ここに記した解決策を試して、すんなり相手の機嫌が良くなったり、相手の笑顔が増えるなど状況が良い方向に向くことを願っています。

まとめ

今回は、外国人と働く時の難しさについてまとめてみました。この記事が皆様のご参考になれば幸いでございます。本日もお読みいただきましてありがとうございました。

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