【アルピーユ山脈】3世紀に渡って作り続けられるオリーブオイル

お店情報
オリーブオイル①

 この記事は、南フランスにあるフォントヴィエイユ(仏:Fontvieille)という村で製造されるオリーブオイルについて書いています。プロヴァンス地方を訪れる人にオススメのブティックを紹介しているので是非一読下さい。

小さな村のオリーブオイル

 フォントヴィエイユ(仏:Fontvieille)という村は、アルル市から北に10kmほど離れた場所に位置しています。アルピーユ山脈の南西、ドーデの風車がある場所です。自然に囲まれた長閑な地域で、果樹園やオリーブ畑が辺り一面に広がっています。また、その多くはAOCの認定を受けており、この地域が如何に気候と土壌に恵まれているかが分かります。

そして、ここで作られる農産物の一つにオリーブオイルがあります。数ある中で私が気に入っている「ムーラン・ド・ベダリード」(仏:Moulin de Bédarrides)という会社のオイルを紹介します。

どのような環境で製造される?

土地

「ムーラン・ド・ベダリード」のオリーブオイルは、その土地で収穫されるオリーブの実だけで作られています。もちろん、オリーブ畑はAOP認定を受けており、高品質で隅々まで管理が行き届いた環境で数世紀に渡って栽培されてきました。ここで育てられるオリーブは、一種だけではなくバラエティーに富んでいます。(※1)

多種多様なオリーブの実

主に栽培されているのが、サロヌンク(仏:Salonenque)と呼ばれる品種でサロン・ド・プロヴァンスに起源を持ちます。そして、フランスで20%ほど栽培されているアグランド(仏:Aglandau)です。他には、ブテイヨン(仏:Bouteillan)、グロッサンヌ(仏:Grossane)、ヴェルダル(仏:Verdale)、ピチョリンヌ(仏:Picholine)があります。(※1)

では、オリーブオイルはどのように製造されているのでしょうか?

製造方法

 手摘みで収穫されたオリーブの実は、高温及び直射日光を避けた場所で保管されます。その後、機械によって小石や葉や欠片などの不純物が取り除かれて洗われます。続いて、粉砕機で撹拌しペースト状になったオリーブは、間接的に27°前後まで混ぜながら温められます。30〜40分後、オイルが浮かび上がって来たら、今度は遠心機に移されます。こうすることで、一つのペーストは、オリーブオイル種や表皮を含んだペースト(仏:Grignon)、そしてオリーブの実に含まれる水分(オリーブの50〜60%相当)に分けられます。最後に、もう一度この遠心機で分離することでより高濃度のオイルを作り出します。(※1)

こうして製造されるオリーブオイルは、新鮮で果実の香りや味を存分に感じさせてくれます。まさに、フルーティーという言葉がぴったり合う自然の賜物です。

実際に購入した商品

販売されているオリーブオイルは、サイズが25cl〜5Lと様々です。オイルの種類は、Fruité vertFruité noirの二種類に分かれています。ここでは、緑果搾りと完熟搾りと定義して説明します。

緑果搾り(Fruité vert)は、緑色のオリーブから作られたオリーブオイルで、ピリッとした刺激を喉元に感じます。アーティチョークやバジルなど緑色植物の爽やかな香りが特徴的です。サラダやカルパッチョ、フレッシュチーズなど冷たいお料理に向いています。
完熟搾り(Fruité noir)は、原料に熟成したオリーブを使っています。苦味やピリ辛さを持たず、トリュフやきのこ、バニラ、カカオに似たコク深い香りを放ちます。じゃがいもやお肉、魚介を使った加熱調理に向いています。(※2)

私が買ったものは、緑果絞りで少しピリッとした辛さがありました。お花のような味と香りにナッツに似たまろやかさを感じました。

モッツァレラチーズにカマルグの塩とバジル、赤パプリカをかけて

旅を想い起こさせる小包

さて、ここのブティックを皆さまに紹介したいと思った理由に、お店独自の「心踊る包装」があります。まずは下の写真をご覧下さい。

こちらは、かの有名な画家ゴッホをモチーフにデザインされたラッピングです。素敵なポイントは、これが大量生産されているのではなく一つ一つ手作りで作られているという所です。私は、友人へのお土産にハーブとオリーブオイルが入った下のセットを17€前後で購入しました。(右のお菓子は別店で追加購入しています。)そして、右の写真は、私が昨年彼から頂いたお土産です。フランスの作家アルフォンス・ドーデの『風車小屋便り』をイメージしたラッピングとなっています。こうしたその地域を想わせるようなプレゼントは、大切な人への贈り物にピッタリだと思いませんか?また、この地域は、先述した二人の芸術家で分かるように、多くの美術や小説の舞台となっている場所なので、既にこの場所にまつわる作品を知っている方々には相当喜ばれることでしょう。

どこで買える?ドーデの風車から徒歩15分!

ブティックは、ドーデの風車から車で7分徒歩で15分程の場所にあります。小道を入った先にあるので少々分かりにくいですが、看板が立っているので迷わずに見つけられます。

《ブティックについて》

店名:ムーラン・ド・ベダリード Moulin de Bédarrides
住所:Avenue de Tarascon, 13990 Fontvieille
電話番号:0490547004
メール:moulinbedarrides@orange.fr
営業時間 :月〜日(冬時間)AM9:00〜AM12:00、PM14:00〜PM18:00(夏時間)AM9:00〜PM19:00 (※1)
*HPまたはパンフレット上にはこのように表記されていますが、営業時間が変わることがございます。その都度、Facebook上でお知らせをしているので訪問の際には、確認してから行くことをお勧めします。

《オンラインについて》

オンラインショップもあり、国外から購入することも可能ですが、輸入するという形になるので送料以外に輸入手続きなども必要になる可能性があります。

ドーデの風車

まとめ

いかがでしたか?今回は、南フランスにある小さな村のオリーブオイルについて紹介いたしました。このブティックでは、他にもオリーブでできた石鹸や、この地域の特産品、ハーブや塩、蜂蜜なども販売しています。プロヴァンスに訪れる際には是非立ち寄ってみて下さい。

参考資料&写真提供

(※1)Moulin de Bédarrides (※2)Avis de Gourmets
 写真提供:J.Corsi

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