AZUKIは海外スーパーで買える。外国人があんこ苦手は本当?

海外のあんぱん BIO お菓子

 一昨日、オーガニックスーパーで買い物をしていた所、穀物コーナーで小豆を発見しました。通常のスーパーでは見かけないので、嬉しさから購入してしまいました。調べてみると、10年以上も前からオーガニックスーパーで販売されていることが分かりました。ハレの日の食事に欠かすことのできない小豆を、今回はシンプルにあんこにしていただくことにしました。

商品内容

内容量500gで、2,9€(約¥350)です。
気になるのは、生産地が中国の農場で作られている所。この商品は、オーガニックの穀物を交渉から製造、包装そして流通まで手がけているフランスのMarkal社によって作られています。パッケージの裏面には、フランスの国際有機認証機関エコサートに認められたマークが入っているのですが、『FR-BIO-01』のマークは、フランス国内で認められたマークにのみ与えられる称号なのです。例えば、日本で有機JAS認定されてEUで販売する場合、『JP-BIO-○○○』及び原材料の生産地を掲載する必要があります。つまり、商品が中国で製造され中国の認証機関に認められている場合は、『CH-BIO-○○○』と書かれるべきです。しかしながら、フランスで中国原産の材料を使って製造加工された場合は、このような表記になります。その場合にも原材料の生産から保管まで厳しい審査が入ります。

加工食品の場合は、加工品に使用する原材料を保管する倉庫等も認定の対象となるこ とから、原材料を購入して加工する場合は、販売者の保管倉庫、(加工された原材料を 購入する場合は)加工施設についても有機認定を受ける必要がある。このため、販売者 が認定取得の費用負担も含めて協力可能か考慮する必要がある。

2018年3月 日本貿易振興機構(ジェトロ) パリ事務所 農林水産・食品部 農林水産・食品課https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/7bcbe706058911cc/201803rp.pdf

つまり、この小豆は、小豆自体は中国で栽培収穫されたけど、鞘から豆を出して包装(もしくは包装だけ)したのはフランスということになるのでしょう。では、中国出国までの監視は誰が行なっているのでしょうか?中国にも国際有機認証機関エコサートの中国支部「Chinese organic standard」があります。しかし、我が国日本は、EU有機認証をJAS認証と同等と認めているのに対し、中国の認証マークは同じ価値とみなしていません。因みに日本が同等とみなしているのは、(アメリカ合衆国、アルゼンチン、オーストラリア、スイス、ニュージーランド、EU諸国、カナダ、台湾)の国々です。果たしてこういった部分はどうなっているのでしょうか。

作ってみた感想

さて、今回はバターと共にパンに挟んで「あんバターサンド」にしてみました。小豆以外(砂糖、バター、パン)は、普通のスーパーで購入したものです。因みにバターは左下に先ほど説明に出てきたオーガニックマークがついていますね!あんこの味は、特に日本のものと変わりません。フランス産のバターの塩気と混ざり合い、なんだか贅沢な味となりました。

外国人(欧州圏)はあんこ苦手なのか問題

 これに関しては、賛否両論様々な記事や番組を見てきました。はっきり言ってしまえば、“人による。”が答えです。日本人だって、子供は洋菓子、お年寄りは和菓子を好む傾向にありますが人によるでしょう。しかしながら、やはり外国人の反応が気になるという方のために、私が今まで見てきたあんこ(菓子含む)に対するフランス人の反応を紹介します。

お客さん
お客さん

最初は、レッドビーンズに砂糖を加えるなんて気味が悪いと思ったよ。だけど、たい焼きを食べてから好きになった。サクッとした生地に温かくて甘いあんこは絶妙に合うんだ。まぁ、たい焼きも魚の形をしてて全く奇妙なスイーツだよね。さすが日本人って感じ。

この人は、私がアジアスーパーで働いている時に見かけたお客さんです。あんこを苦手と言う人の理由が大体このギャップによるものです。小豆に似たレッドキドニーが料理に使われることから“赤い豆=塩気”という認識になっているようです。「フリホーレス」(画像:豆に玉ねぎ、ベーコン、にんにくを加えて作られる)というあんこに良く似たペーストも南米の料理の副菜として使われるので、こうしたイメージがあんこに偏見を与えているのかもしれません。

続いて、

マリィ
マリィ

黒糖のほろ苦さにバターがピッタリね!あんこは初めて食べたけど柔らかいスポンジと抜群に合うわ。

彼の妹が、初めて日本の黒糖どら焼きを食べた際にこんな感想を述べていました。フランスでは、マドレーヌやフィナンシェのようなスポンジ生地を使うお菓子が国民に愛されています。そうした理由からどら焼きは、しっとりとした生地が受け入れられるのでしょう。同時に、生地とマッチするあんこに魅了される人も少なくありません。

そして、

メラニー
メラニー

私は苺大福が大好き。私の場合は、あんこというより餅が好きなんだ。あんこはどちらかというと苦手なんだけど苺大福はなぜかハマる美味しさがあるの。

私の友人で日本通の彼女は、和菓子の中で苺大福を別格のように扱っていました。彼女のように、大福からあんこの味を知る外国人は多くいます。大福は「Mochi」と呼ばれ常温、冷凍どちらも人気があり、パリではアジアスーパーだけではなく普通のスーパーでも売られています。また、日本食レストランの定番スイーツとして必ずメニューに書かれています。

 仮に、何十年か前に取ったアンケートであんこ苦手な外国人の割合が多かったとしても、今日の食文化の変化によって欧州でもアジア料理に慣れている人が増えた結果、あんこ好きの割合が増加傾向にあるのかもしれません。小豆もフランスで手に入る現代、あんこの好き嫌いは外国人だからと一括りにすべきではないと感じます。

フランスで人気の“あんこ菓子”

5つのあんこ菓子をフランスでよく見かけます。中でも大福は圧倒的な人気を誇り、魅了されたフランス人が自身で立ち上げた手作り大福屋も存在するほどです。分かりやすいように、購入できる場所と共にリストにしてみました。

  • 大福:アジアスーパー、フランスのスーパー、日本食料理店、専門店(フランス人が作る)
  • どら焼き:アジアスーパー、日本食料理店、パティスリー(日本人が作る)
  • たい焼き:アジアスーパー、日本食料理店、専門店(フランス人が作る)
  • あんぱん:アジアスーパー、パン屋さん(日本人が作る)
  • 羊羹:アジアスーパー

そして八つ橋も日本食品店で購入可能です。

これは、先ほど出てきた普通のスーパーにあるアイス大福コーナーです。(ブランド名:Little moons)
パリにあるPatisserie TOMO(パティスリー朋)さん
日本人シェフとフランス人シェフのお店で本格的などら焼きから、フランス風に進化したものまで並びます。

まとめ

 今回はフランスのあんこ事情についてご紹介させていただきました。今回あんこについて改めて考えたところ、和菓子に欠かせないあんこは海を越えても人々に愛され親しまれていると感じました。あんこ党の皆さんも今後安心してフランスに住めますね!

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